高齢者が集う楽園へ

「高齢者が集い、いきいきと働け、生きがいを感じられる楽園」

その楽園はパラダイスというよりは、日常の中に小さな幸せがたくさんあるというイメージです。島に住むおじいちゃんおばあちゃんが仕事をしながら、働く楽しさや喜びを感じてもらうと同時に、農業という商売もきちんと成立させる。

日本の田舎らしい幸せのあり方を、アスパラガスの栽培という経営をしながら、おじいちゃんおばあちゃんと共に行ってまいります。

いきいきと働き、生きがいを感じてもらうために

雇用を生む
じいばあを集めるための仕事が場所づくりに。雇用があり、仕事をしてもらい、感謝の気持ちを実感できるお給料が大事です。
仕事を楽しんでもらう
きちんとできた達成感、仕事の後の充実感。仕事を通じて、喜びや楽しみを感じてほしいのです。仲間との良い関係も楽しさにつながります。
仲間を認める
ミスをすることを、責めません。立場に上下もありません。ここにいるのは仲間で、相手を認め合えるようになることが大事です。

 

インタビュー じいちゃんばあちゃんの「幸せと働くの関係」

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Q 小畠さん、実際にじいちゃんばあちゃんに働いてもらってるけど、その考えや現場感覚など聞かせてください


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A 感覚でいうと、じいちゃんばあちゃんは、ちょいと仕事して、ちょいとお金がもらえるぐらいがHAPPYなんです。働ける仕事があること、楽しく働いてやりがいがあることが重要。生活していくために、じいちゃんばあちゃんが来ているわけではなく、ワイワイ言いながら人が集まれるのに価値があるんですよ。


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こないだ、働く人を募集するチラシを島で配ったんだけど、さぎしま楽園計画団員募集っていうメッセージにみんな感動しているんですよ。おばちゃんとか「私やりたーい!」って盛り上がってるわけ。そういう方って、話を聴いてみると僕と同じように夫婦で片方先に逝っている人とか、独り身の方が多いんですよ。仕事して、話して、ごはん食べて、人の役に立ってる感じ、いてもいい居場所とか、今の時代に少なくなった地域コミュニティって感じだと思うよ。そうはいってもみんな結構年取ってるから、失敗もしょっちゅうだよね。でも、そこは長い目でカバーし、助け合うのが大事ですよ。


団員募集のチラシ

 

楽園化までのステップとそれぞれの難しさ



課題1 農業で経営をしっかり回す難しさ

多くの兼業農家の一般的な課題は、作物づくりよりも販売と収支に課題があることが多いです。年収ベースでは23-60万程度との調査結果もあります。趣味や、自家使用、副業というスタンスです。

専業農家となると、平均年収415万円(令和2年調査)と平均的な生活が出来る水準の経済となります。ただし、長時間労働、肉体労働、作物の相場による上がり下がりなどの不安定要素もあり、人を雇って組織的に経営するとなるとハードルはまた高くなります。

兼業、専業で経営に対するスタンスは違いますが、新人農家が軌道に乗るまではそれなりに厳しい道のりとなっているのが現状です。

現時点での状況と対応
私たちは足元のアスパラ収穫事業に関して、ローコストかつ先進的なハウス設備を選びました。県の指導の下、スマート農業を取り入れることで、管理の手間を最小限にしつつ、自動調光のハウスで品質の良いアスパラの栽培を可能にしました。また、年中安定して高い単価の作物を選び、瀬戸内の温暖な気候で取れ高も安定している状況です。また、人材面でも地元の高齢者を雇用し、高畝式の通路を作るなど体の負担や運営体制に無理のない形で農業に挑んでいます。

課題2 農業DtoCの難しさ

農業でDtoCを行う難しさにはいろいろありますが、まずは直接消費者に販売できるチャネルの構築が課題としてあります。解決のための直販ネットショップの製作は、比較的手軽に行えるようになりましたが、「集客」が最初の課題になる事例は数多くあります。

またそれらに付随し、商品の見せ方や統一された価値を発信する「ブランディング」を行う事や、消費者のニーズをつかみ商品化する「企画力」、実務的に顧客に対して対応する「サービス力」など芋ずる式に幅広い分野の能力が必要になります。

それらをまとめる大きな要因には「経営的なセンス」と「実際にカタチまで落とせる実行力」が必要になり、一朝一夕で対応できない難しさがあります。

行政の主催する展示会での試作商品デモンストレーション
現時点での状況と対応
代表の小畠はコンピュータのシステム会社の立ち上げから、地域放送システムの構築、フィットネスクラブの運営、ホテル事業など多くの経営経験があり、成功に導いてきたベテラン経営者です。今回の農業参入でも、コスト面、収益面はもちろん念頭に、直接販売のチャネルの構築、他事業との連携、ビレッジ構想などその敏腕を発揮し、経営のポイントを押さえながら農家のDtoCに取り組んでおります。

課題3 地域創成の難しさ

少子高齢化が進む中、都会には仕事を求め人が集中しますが、地方では働く場所が限られているというのが現状です。

地方創成は、地方において産業が活性化し、雇用を生み、若者が地方でもやりたいことに出来る状況を目指しており、現在は特定の事業者の中で成功事例がいくつかも出てきています。

テクノロジーを使って田舎でも勝負出来たり、豊かな自然環境の中でライフワークバランスを保ちつつ子育てをしたり、お年寄りでも身近なことでビジネスが出来たりと可能性はあります。

しかし、全体数としてはまだ少数派で、これからの発展が続くかが地方創成の難しさです。

現時点での状況と対応
さぎしまの楽園計画も、まさに地方創成の一つのモデルであると確信しています。そのためにはまず、お年寄りが楽しく働ける環境と、しっかりとした経営が必要でこれは現在確立されています。その先にある、地元の観光資源と結びつけて島に来てもらう事や、体験を提供する事、色々な製品を作って全国に販売していく事など、ベテラン経営者が地域創成のモデルとなるべく現在進行中です。

 

楽園計画に近づくための スマート農業

373farmが取り入れているスマート農業は、広島県農業技術センターの技術支援を受けています。

スマート農業を簡単に説明しますと、DXの技術革新により農作物の管理労力を減らしつつ、収穫できる量を増やし農業で収益を出しやすい体質にすることが目的です。

具体的には、自動調光で明かりが強すぎる場合はシェードをかけ光を調節したり、ハウス内が熱くなりすぎないように自動で開閉し温度管理をすること、地中にセンサを埋め込み栄養と水を自動で散布するチューブを巡らせて自動化することなどができます。また、高畝式にすることにより椅子に座りながらローラーで横移動して収穫が出来るなど、体に優しいつくりや、効率の良い収穫を行うことが出来ます。

第一農場定植のニュース

 
スマート農業の技術

 

経営が安定するその秘密

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Q 小畠さん 毎日仕事できてありがたいし、今度は第2農場もできる。いつもしっかり売れている、その秘密を教えてよ


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A 基本になるけどしっかり買ってくれる人をキープしておくのは商売の鉄則よね。うちなんか、自前でホテルがあるからそこで買ってもらったり、フィットネスとかでも売れるよね。アスパラって、健康食材で美容にもいいし、相性抜群だよね。いきなりネットで売るか売れないかは、リスク高いからしっかりと価値が分かってくれるお客さんとのつながりを持っておくのが秘密かな。一般的な流通で卸をするとなると、規格もシビアで価格も渋い。まずちゃんと経営が安定するために、しっかりとお客様とのつながりを持たなきゃね。


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なるほど。言われたら簡単だけど、実際にお客さんを持って実践するのは難しいね。


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Q 小畠さん もう一つ質問 作る作物はなんでアスパラにしたの?きっと、理由あるよね。


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A いくつか理由はあるんだけど、取引の値段が高いことと、値が安定していることは経営を考えると大きいよ。手間がかかって儲からん商品だと、おじちゃんおばちゃんも雇ってあげられんよね。あと、予想外にさぎしまとアスパラが相性良かったんだけど、これは想定外。県でいちばん早い時期から採れて、一番遅い時期までとれるのもありがたいよね。県の職員さんが熱心だったのも、わしは農業は素人だったからすごく心強かったよ。これもありがたいね。

小畠からのメッセージ

 

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そうそうここからは、ここまで読んでくれた方へのメッセージね。このサイトを見て、農業経営に興味あるとか、商売のしかたを指南してほしいとか、仕事や商品で協力したいとかそんなご相談は大歓迎です。詳しくは、お問合せフォームより送っていただければ対応しますので、気になっている方はぜひ連絡くださいね。何か新しいことが始まるかもですよ。

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